その他いろいろ It can shoot, if it shoots(1936)

ブライアン・ファレル









ストーリー





石油王の富豪モーティマー家からの依頼を受け、

パシフィック探偵社の探偵「おれ」はベヴァリー

ヒルズへやってきた。

このところ家長のスタンレー・モーティマーに対して

執拗な脅迫電話や嫌がらせのいたずらが相次いで

いるので、犯人を探し出してほしいという。



モーティマー家には、頑固で強気なスタンレーと、

神経質な娘のサリー、サリーの夫で冷笑的な

ジャック・オサリバン、女中のゼルダ・マイヤーと

執事のセバスチャン、料理人二人に庭師が五人いる。



「おれ」は全員の聞き込みを始めた。

スタンレーの独善的な態度に対しての恨みを、家族は

互いに告発しあう。動機は家族全員にあった。

外部のものの犯行の線を頭に置きつつも、「おれ」は

モーティマー家に焦点をしぼった。



その夜、銃声がモーティマー家に轟く。撃たれたのは

スタンレーと、彼の部屋で世話をしていた女中の

ゼルダ・マイヤーだった。スタンレーは肩を撃たれ、

ゼルダは頭を撃たれて即死だった。



「おれ」はスタンレーの部屋のバルコニーから銃を発見

したが、家族には全員アリバイがあった・・・








解説





ブライアン・ファレルのパシフィック探偵社シリーズは

短編二十一編と中編四編が書かれました。



基本的な主人公は自らを「おれ」という中年の探偵

ですが、彼が「ディック・ノース」という名であることが、

パシフィック探偵社の他の探偵が主人公である短編

でわかります。こちらは三人称で書かれています。

同一のシリーズで一人称と三人称が使い分けられる

のは珍しいのではないでしょうか。



三人称の短編は群像劇で、さまざまな性格の探偵

たちが活躍します。スケールは遠く及びませんが、

エド・マクベインの小説をおもわせます。




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